第37回 東京書作展 【奨励賞作品】 「梁六を送る」

第37回 東京書作展 「奨励賞」  を頂きました作品です。

東京書作展は東京新聞社主催 (文化庁、東京都後援)の年に一度の全国公募展で、Shorin が所属する書壇はじめ全国から多くの方々が出品されます。 松凛にとっては一年で最も大切なイベントで今回の入賞は大変光栄なことと、ありがたく存じおります。

題材は 唐の時代の詩人、張説の七言絶句で「梁六を送る」です。 去りゆく友を見送りつつ、この後再び会うこともなかなか叶うまいが、君を想う心はまさに果てしなく広がる湖の水のように尽きないよ、と贈った言葉です。

今回は色のついた和紙のような紙の上に創作楷書で書いたお作品です。 楷書のシャープな線が和紙に少しかすんだりにじんだりすることで表情に複雑さが生まれ、その気持ちの奥行きと揺れる情感が表現できていたらうれしく思います。

会期中、お忙しい中多くの方が入れ替り立ち替り、会場に足をお運び頂きお作品を見てくださいました。 また、会場で見知らぬ方からお声をかけられ、お祝いの言葉を頂きました。 それらのことがなによりありがたく、Web上から大変失礼ながら、謹んで御礼申し上げます。 

また、今回も師匠 書美院 院長 内野七色 先生には、熱心にご指導頂きました。 いろいろな意味で難しいと言われる創作楷書にチャレンジするShorinの手元を見て、まさにミリ単位で、一画一画の線の太さ、長さと角度、墨の濃淡、そしてその理由の説明まで、まことに細かくていねいにご教示頂きました。 もちろん自分でもできる限りの努力を費やしたつもりではございますが、今回の入賞もひとえに師匠のご指導と書美院会員諸兄のアドバイスと激励の賜物、心から深く御礼申し上げます。   

これからも、よりよいお作品を見ていただけるよう精進する所存です。ご指導ご鞭撻のほどどうぞよろしくお願い致します。 

松凛


第37回 東京書作展 【奨励賞】

うれしいご報告です♪

このたび 東京新聞主催 第37回 全国公募 東京書作展におきまして、松凛は二点提出したうちの一点が「入選」 もう一点が 「奨励賞」 を頂きました!  

限られた時間と状況の中、もちろん自分なりに努力を尽くしたお作品ではありますが、わたくしごときがこのような賞を頂けるとは、師匠 内野七色先生ならびに書美院の先輩諸氏のご指導の賜物、心から御礼申し上げます。また、SNSやブログを通じみなさまから頂きましたあたたかい激励、ほんとうにありがとうございました。

二点のうち、成績上位の一点が今月末 ( 11/25(水)〜11/29(日))池袋サンシャインシティで展示されるそうですので、お作品の写真はその後アップさせて頂きます。 ぜひご覧下さいね。 (^ ^)/ 

扇子 (浜節): Japanese fan (HAMABUSHI)

「自分で書いてもいいし、なんなら僕が書いてあげてもいいよ。」 と師匠が言って下さったので、じゃあこの際 (?) 名人にお願いしちゃおう、ということでちゃっかり 師匠  内野七色先生 に揮毫して頂きました。 そしたら " ちょっと現代風に書いたよ。 楽しそうかなって思って。” って。(笑) 

Shorinの通うお教室 書美院 では、普段の稽古以外に、ときどきあるテーマを決めたゼミが開催されるのですが、先日その一環で ”扇面” に書くというテーマの講義があり、その時に仕立てて頂いた扇です。

題材は 長崎の民謡で 「 浜節(はまぶし) 」です。 少し前の、吉永小百合さんの映画 「長崎ぶらぶら節」の中で、原田知世さんがとても上手に歌っておられたのが印象深く、以来ずっと心に残っていていつか書いてみたいな、と思っていたのですが、師匠手ずから書いて頂いて、たいへんありがたく存じます。  

先生に書いていただいた紙が扇子に仕立て上がってきて、お教室で受け取った時、ずっと以前、夏のゆかたを仕立ててもらったのが家に届いたときに、母がたとう紙(お着物を包んである和紙)を広げて見せてくれた、その時のわくわくした気持ちを思い出して、とても嬉しくなりました。 宝物がひとつ、増えました。 (^ ^)/  

先生、美しい扇、ありがとうございました。 大切にさせて頂きます♪


「 浜節 (はまぶし) 」

浜じゃ えー 浜じゃ 網(あみ)引く 綱(つな)を引く 
陸(おか)じゃ 小娘の 袖を引く

今宵 えー 今宵 泊まりの 港に入りて
波も静かな かじ枕

 

書美院展 2015 「内野七色と愉快な書家たち」 

東京の桜が終わったら、このイベントがやってきます♪  Shorin にとっての一大イベント、毎年この季節恒例の "書美院展 2015" 今年は下記の通り開催されます。 東京駅八重洲地下のギャラリーで、会期は 4/20(月)〜 4/26 (日)です。
 
このイベントは、Shorin の師匠である、内野 七色先生の書壇 "書美院" の作品展です。 Shorin のお作品も会期中展示して頂いています。 お近くにお越しの際はぜひお立ち寄りください。 

お作品は後日このブログでもご紹介させて頂きます。 乞うご期待! (^^)/   

※ ちなみに、この着物美女のモデルは、女優のK.K子さんだそうです。 (笑) 

※※ 4月26日(日) Shorin の師匠、内野七色先生の今年のパフォーマンスは、先生の "高い技術がわかる" プログラム(の予定とのこと)で、必見です!  


東京書作展選抜作家展 2015 【出品作品】  「孫子 謀略編」

東京書作展選抜作家展 2015 出品作品 「孫子 謀略編」 です。

今回は何を書こうか、題材にとても困りました。 いろいろと考えて結局一番書きたいものを書こう、ということになり、今回は孫子の兵法にチャレンジしました。 

おそらくその中でも最も有名な部分のひとつ、「国を全うするを上と為し、国を破るは之に次ぐ」の部分です。※

孫子の書の存在を教科書で習ったときには、兵法というものは、当時の戦争をいかに勝ち抜くか、その戦略と戦術のセオリーをまとめたものだと捉えていました。 要するに "テクニックの解説書" のようなものかしら、と思っていたのです。 

その後、機会があって実際に少しページを開いてみて、確かに技術的な視点からの数多くの鉄則もその理由の説明とともに明確に記されているのですが、その全てを裏打ちするものが、戦争というものが国家と人民にとって、いかに深刻な危機であるか、という、確固たる考えであることを学びました。 

そしてその中で、「国を全うするを上と為し、国を破るは之に次ぐ」(敵国を傷つけずにそのままで降伏させるのが上策で、戦って屈服させるのはそれに劣る)「百戦百勝は善の善なるものに非ず」  (百回戦って百回勝つことが最高、というものではない) と述べています。  国を、一軍でも、旅団でも、小隊でも、下級兵士でも、少しでも戦わずに降伏させよ、と戒めます。 

戦争のむごさを知っているからこそ、極力戦闘をせず、長引かせず、そして勝たねばならないと教え、そのための戦い方を伝えたものだと学びました。

昨今の酷い戦争や国内外の残忍な事件のニュースを見聞きし、また、戦後70年を迎える今年はじめの作品展に寄せて、この言葉を書く事に、なにか自分自身の中に意味があるかもしれないと思い選んだものです。  



私自身は、もちろん戦争には絶対反対ですが、しかしそれでもやはり、同胞を守り、国の主権と、その人々の自由と尊厳を守るために、どうしても戦わなければならないこともあるだろう、と思っています。 

ただ、世界中で繰り広げられている戦争が少しでも早く終結し、少しでも人々が傷つかない方法で紛争解決への道が開け、世界が平和に少しでも近づくことを、心から祈ります。 そのために平和の恩恵に預かっている者は、せめてひとりひとりが常に平和を志向し、問題の解決にむけた努力になにかしら貢献することが大事だと考えます。


今回のお作品も、師匠である 書美院 内野七色 先生のご指導のもと、製作いたしました。 また、これまでにない大きな紙 (縦3メートル、横90センチ) に奮闘するShorinを、書美院の諸兄には大いに激励頂きました。 どうにかこうにか完成させることができましたのも、ひとえにみなさまのお陰、心から御礼申し上げます。 

また、会場にお運びいただき、見てくださった多くのみなさま、本展関係者のみなさまに深く感謝申し上げます。 今後ともより良いお作品を見ていただけるよう、精進する所存です。 どうぞよろしくお願い申し上げます。  

松凛

※ 孫子 謀略編第三 について 
http://www.easttown.co.jp/S-03.pdf

  

   
   

阪神淡路大震災20周年に寄せて - Japan Expo 2014 出品作品 「鳳」 (おおとり)

松もとれ、街がどことなく晴れやかになる成人の日を過ぎた、今日1月17日は、阪神淡路大震災のあった日で、今年はその震災から20周年にあたります。 
 
Shorinは当時まだ大阪に住んでいて、自分も大きな揺れを感じ、幸い私は身内も友人もみな無事だったのですが、経験したことのないあまりにも大きな災害の、そのむごさにただただ大きな衝撃を受け、その後自らのあり方や考え方を大きく変えることになりました。
  
20年と言うけれど、そして震災のその日を知らない子が成人するほどの長い時間のように思えるけれど、一方で、20年という歳月が、犠牲になった方とそのご家族、あるいは人生の大切なものを突然失った方にとって、その悲しみを消し去るに十分な時間であろうはずがなく、その苦しみの深さを思うと、まことに心が痛みます。 

神戸の震災の直後は、「あんなに大きな地震を体験したのだから、わたしが生きている間に、それを超える規模の災害に遭うことはもうないだろう。」と心のどこかで思っていたような気がします。 しかしその後、残念なことにそれをはるかに超える巨大地震が、日本を襲いました。 そしてそれからも毎年のように、その他のさまざまな災害にも見舞われています。 そのたび、神戸の震災の際に受けた心の衝撃を思い出し、被災地の人たちの困難を思い、その地の為に祈らずにはいられません。 

写真のお作品は、そのことを思いながら書いたもので、 「鳳凰」(ほうおう)の「鳳」- "おおとり" です。 ( ※ 昨年の Japan Expo 2014 出品作品です。) ご存知の方も多いことと思いますが、この中国の伝説上の鳥は、すべての動物の長、平和な世にのみ姿を現し、この鳥が飛ぶときにはその徳により地が治まり、雷も嵐も起こらず、河川も溢れず、草木も揺れないという伝説が伝えられます。 

そんな平和をもたらす尊い鳥が、弦を張った弓のような美しい形をしたこの日本の島々の上を飛んで、災害のない、穏やかな一年になってくれたらいいな、と思い、お正月から飾っているお作品です。 

あらためまして、阪神淡路大震災東日本大震災をはじめ、さまざまな災害の被害にあったみなさまに、心からお見舞いを申し上げます。 
いまだに復興の道のりはあまりに遠く思われ、その難しさに誰もがため息をつきたくなるけれど、多くの人は決して被災の地を忘れておらず、多くの人がそれぞれ自らにできることを行い続けています。 いまだに困難な状況にある方々も、どうかそのことを知り、前向きな気持ちをお忘れにならず、よりよい将来に向けて、それは時に、もしかすると難しいことかもしれないけれど、たとえ少しでも歩みを進めて頂きたいと、こころから祈っています。

最後になりましたが、今回の作品も、師匠である 書美院 院長 内野七色 先生の ご指導のもと、先輩後輩諸氏の激励、アドバイスのお陰で作成できたものです。 また、お世話になりました Japan Expo 関係者の皆様にも合わせて、心から深く御礼申し上げます。 今後とも、よりよいお作品を見ていただけるよう、精進する所存です。 ご指導、ご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願いいたします。 
 

     

第36回 東京書作展 【奨励賞】

うれしいご報告です♦♫♦・*:..。♦♫♦*゚¨゚゚・*:..。♦

今回 "第36回 東京書作展" におきまして奨励賞という賞を頂きました。 

これは東京新聞社主催 (文化庁、東京都後援)の年に一度の大きな書道展で、わたしが所属する書壇はじめ全国から多くの方々が出品されるのですが、望外の入賞に驚くとともに、大変光栄なことと、ありがたく存じおります。

驚きというのも、実は師匠 内野 七色先生の道場でこの一枚をちょうど書き始めたとき、お稽古の終了時刻が迫ってきているのに気がつき、とにもかくにも急いで書いてしまわなければ、と、いろいろ考えずにただ ”がしがし” と筆を進め、最後まで書き終わった時に、すこし粗雑感が強いような気がして、この一枚は失敗作としてごみ箱に直行かな。。。と思った瞬間、師匠が  「それいいじゃない、置いておけば?」  と言ってくださった一枚です。 

このような競技会に出品するときは、何十枚も同じものを書いて、そのうち良さそうなものを何枚かとっておき、最後は師匠に一枚決めて頂くのですが、この一枚は、そのほかのすべての  ”何枚か” を超えて、最後に師匠が 「これだな。存在感があるね。」 と選んで下さった一枚です。 (Shorin自身はあまりに意外な一枚で、「え、これっすか?」と思わず確認したほどです。(笑) ) 

その意外な一枚が、さらに予想外に賞まで頂いて、本人はいたって恐縮するやらいいのかしらと思うやらですが、「このような時は、素直に喜びなさい。」と学生時代の友人に諭されたことがあり、その言葉どおり、とても素直に喜んでおります。(^ ^ )/

また、会場には知り合いの方々がかわるがわるお作品を見に来てくださいました。 わざわざ足を運んで来てくださる方のあることがなによりもありがたく、感謝の気持ちに潤されております。
 
 今回のお作品も、師匠 内野 七色先生の忍耐づよいご指導と皆様の激励の賜物、わたし自身は自らの歩みが遅いことがただ恥ずかしいばかりではございますが、これからもより良いお作品を見ていただけるよう、精進する所存です。 今後とも、ご指導、ご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願いいたします。  師匠はじめ書美院の諸兄、ならびに本展の関係者のすべてのみなさまに心から御礼申し上げます。 

 松凛