お軸 「正眼の構え」

今年の初め、お軸を一つ書きました。 いくつかの作品展に出して頂き多くの方がご覧くださいましたのち、先日ようやく手元に戻ってきたお作品です。 

「正眼の構え」 と書いてあります。 ご存知の方もあるかもですが、剣道でいうところの 「中段の構え」 で、Shorinは(剣道の心得は大学時代に授業で経験した程度なのですが)この言葉が大好きなのです。 

攻めるにせよ、守るにせよ、現在ではこの構えが全ての基本となる構えで、ここから様々な状況に即座に対応し移行できる、そのような構えのあり方なのだそうです。 

全体の形が裾広がりになっていますが、実はShorinの職場から東京タワーがきれいに見えて、雨の日も風の日もすっくと動じずに立つ東京タワーのイメージで書きました。 (笑)  

仕事をするにせよ、お稽古をするにせよ、何事にせよ、そのような心持ちでかからねばと、自らに言って聞かせるようにして何度も書くうちに、どこか自分でも気持ちが落ち着いてくるといいますか、心が定まるといいますか、なにか動じない強さを少し得られるような、そのような気持ちにさせてくれたお作品です。 

ただ不思議なことにお軸になってくると、このような静かな文言の中にもさまざまな動線が浮かび上がって、言葉の意味とはまた違った、意外とはやい時間の流れと動きが見え隠れするようで、少しボーイッシュというか、少年ぽく仕上がったかもしれないとも思え、お気に入りの作品になりました。 

このお作品も師匠である内野七色先生のご指導のもと製作させていただきました。 ご指導いただきました先生、また、いくつかの会場に足をお運びいただきましたみなさま、心から深く御礼申し上げます。 これからもより良いお作品を見ていただけるよう精進を重ねる所存でございます。 今後ともご指導、ご鞭撻のほどどうぞよろしくお願い申し上げます。 

松凛

東京書作展選抜作家展 2017 【出品作品】  「諸葛孔明 戒子書」

東京書作展選抜作家展 2017 出品作品 「諸葛孔明 戒子書」 です。

去る二月末、Shorinは昨年の東京選抜作家展のエキシビション的な位置づけの書道展となる、「東京書作展覧会 選抜作家展」に出品させて頂きました。 

今回のお作品は題材選びに時間がかかったのですが、いろいろと考えて、諸葛孔明の ”戒子書” を選びました。 諸葛孔明というと ”出師表” があまりにも有名で、そちらもチャレンジしたかったのですが、あまりにも長すぎ超大作になりそうなため、別の機会の楽しみに置いておくことにしました。 

”戒子書” は諸葛孔明がその息子の思遠を戒めて書かれたもので、いまでもその子孫の住む村(諸葛鎮)の大公堂に保管されているのだそうです。 内容は下記のとおり

夫君子之行 静以修身 倹以養徳
非澹泊無以明志 非寧静無以致遠 
夫学須静也 才須学也 
非学無以広才 非志無以成学 
滔慢則不能励精 険躁則不能治性
年与時馳 意与日去 遂成枯落 多不接世
悲窮虜守 将復何及


実は恥ずかしながらShorinも訳文がなければ自力では読めないのですが (笑)

君子の行(こう)は、静以(もっ)て身を修め、倹以て徳を養う。
澹泊(たんぱく)に非ずんば以って志を明らかにするなし。
寧静(ねいせい)に非ずんば以って遠きを到(きわ)むるなし。
夫(そ)れ学は須(すべから)く静なるべきなり。
才は須く学ぶべきなり。
学に非ずんば以って才を広むるなし。
静に非ずんば以って学を成すなし。
慆慢(とうまん)なれば則(すなわ)ち精(せい)を研(みが)く能(あた)わず。
険躁(けんそう)なれば則ち性を理(おさ)むる能わず。
年、時とともに馳(は)せ、意、歳とともに去り、遂に枯落(こらく)を成す。
窮盧(きゅうろ)に悲嘆(ひたん)するも、将復(はたまた)何ぞ及ばんや。

と読み、日本語訳はだいたい以下のような内容です。 

優れた人は静謐の中に身を修め、倹約をして徳を養う。
無欲の者でなければ、志を明らかにすることが出来ず、
身が安らかでなければ、高い目的を成し遂げることは叶わない。
静謐の中から学ぼうとする意欲が生じ、才能は学ぶことから発揮される。
学ばなければ才能は開花せず、学ぼうとする志しが無ければ物事を悟ることも出来なくなってしまう。
少し知識を付けて傲慢になれば勤勉勤労から遠ざかり、いつも心が険しく騒がしければ自分自身を見失ってしまう。
齢を重ねるに連れて学ぶ意欲も無くなり、次第に落ちぶれて世の中に合わなくなってしまう。
そのときになって、嘆き悲しんでも遅いのだ。

Shorinには一語一語耳から血が出そうな戒めの言葉、これからも肝に銘じて精進を重ねる所存です。 (^ ^)/




今回のお作品も、師匠である 書美院 院長 内野七色 先生のご指導のもと、書かせて頂きました。 慣れない ”隷書” という書体に悪戦苦闘しましたが、先生のアドバイスのおかげでどうにかこうにか出品させて頂きました。 また、年末年始をはさむ製作期間中、大いに激励下さった書美院の諸兄、職場の皆様はじめ会場にお運び下さってご覧頂きました多くのみなさま、本展関係者のみなさまに、 Web上で大変恐縮ながら心から深く御礼申し上げます。 今後もより良いお作品を見ていただけるよう研鑽を積んでまいる所存です。 これからもどうぞよろしくお願いいたします。 

松凛

第38回 東京書作展 【奨励賞作品】 「上陽白髪人」

第38回 東京書作展 「奨励賞」 を頂きました作品です。

東京書作展は東京新聞社主催 (文化庁、東京都後援)の年に一度の全国公募展で、全国から多くの方々が出品されます。 そのような歴史ある作品展におきまして奨励賞をいただきましたこと、大変光栄に存じます。 

今回の題材は、白居易の 「上陽白髪人」(上陽の白髪の人)という漢詩で、玄宗皇帝の末年に16歳の若さで宮中に召されたものの、すぐに楊貴妃に疎まれて幽閉され、皇帝に拝謁する機会もついにないまま60歳まで年を重ねた女性の物語として書かれたものです。 (詳細はこちら) ホームページ移転のお知らせ - Yahoo!ジオシティーズ

また今回は ”多字数” というスタイルのお作品に初めての挑戦でした。 大きな紙に、小筆で、細く小さい多数の字を埋めてゆくのですが、Shorinはどちらかというとこれを苦手科目としており (平たく言うと、ヘタなので ヽ(^◇^)/ ) これまで競技会では避けてきたのです。しかしながら、いつまでも挑戦をためらっている自分に、これではいけないなぁ、という気持ちもずっと持っており、今年はこの際、落選覚悟でただ勉強させて頂くつもりだったのですが、望外の入賞に驚き、大変うれしく思っております。

書いても書いてもなかなか上手くいかず、ボツにした大量の紙に本当に申し訳ないことを致しました。 提出期限の直前くらいにようやく少しはマシなものが書けるようになってきたかな、と思えた頃に書いた一枚だったと思います。 それでも会場で見ると、いややっぱりあそこもここも気になるな、という箇所が少なからずあり、わざわざ会場までお運び頂いたみなさまに、少し恥ずかしいような気持ちも致しましたが、これまでと全く違う印象で新鮮、といったご感想を多く頂き、本当にありがたく存じます。 

今回のお作品も、師匠である 書美院 内野七色 先生のご指導のもと、製作いたしました。 また、書いても書いても上手くならないShorinを、それでも 「書くしかない。」 と、書美院の諸兄には大いに激励頂きました。 今回の入賞もひとえにみなさまのおかげ、わたくし自身はただ自分の歩みが遅いことが恥ずかしいばかりでございますが、みなさまに心から御礼申し上げます。  

また、Web上で大変失礼なことながら、会場にお運び下さってお作品を見ていただきましたみなさま、本展関係者のみなさまに、深く感謝申し上げます。 今後ともより良いお作品を見ていただけるよう、精進する所存です。 どうぞよろしくお願い申し上げます。 

松凛

 



 
 









 

第38回 東京書作展 【奨励賞】

この度、毎年お作品を出品させて頂いております 東京新聞社主催 東京書作展 にて、松凛のお作品が 「奨励賞」 を頂きました。 (^ ^ )/

東京書作展は、多くの素晴らしい作家のみなさまが渾身のお作品を、それこそひとり何点も出品されるような大変に大きく歴史ある競技会です。 そのような競技会で望外の入賞、まことにありがたく、光栄に存じます。 

また、今回は松凛のお作品の展示期間が 12/3(土)・12/4(日) 週末に当たり(?)ました! もしご都合よろしければ是非是非会場にお運び頂き、お作品をご覧頂ければ幸甚です。 お作品の写真は後日アップさせていただきます♪ 

最後になりましたが、今年も例年同様、なかなか上手にならない松凛を忍耐強くご指導頂きました、書美院の内野七色先生と、製作中応援と激励を頂きましたみなさまに心から深く御礼申し上げます。 

松凛







 

書美院展 2016 「内野七色と愉快な書家たち」

東京は桜が終わり、ゴールデンウィークまでもうひと頑張りというこの頃、書美院では 「内野七色と愉快な書家たち」と題した社中展を開催します。 Shorin の師匠である、内野 七色先生の書壇 "書美院" の会派のみなさまの作品展です。 

Shorin のお作品も会期中展示して頂いています。 お近くにお越しの際はぜひお立ち寄りください。 

東京駅八重洲地下の ギャラリー八重洲 | 東京駅 八重洲地下街 で、会期は 4/18(月)〜 4/24 (日)です。 (^ ^)/


 

東京書作展選抜作家展 2016

公募 東京書作展 選抜作家展 2016 が 去る2月16日(火)〜 2月21日(日) 東京都美術館で開催され、今年もご案内を頂いて松凛も出品させて頂きました。 

東京都美術館 は、東京上野の山の一角にある、大正15年に日本で初めての公立美術館として設立された、日本の近代美術の歴史の中でその存在の意義の大変深い美術館で、そのような場所にお作品を飾って頂ける機会を得ましたこと、大変光栄に存じます。 

入場無料です。(笑) それから、ときどき心配される方もあるようですが、勧誘や販売など一切なく、まっとうな書道展です。 今回も大勢のお知り合いが、入れ替わり立ち替わり見にいらしてくださいました。 ありがとうございます♪♪


作品展の後、出品された作家の皆様と審査員の先生方と懇親会。 かの有名な 上野精養軒 【公式サイト】にて。 上野だからということですね、パンダがなんだかまったりと。。。(*≧∀≦*) 

懇親会のあと、Shorinの所属する書美院のみなさま方と 上野 武文 さんで二次会♪ 武文 - 上野/居酒屋 [食べログ] 

こちらは上野の隠れた(?)名店で、お料理もお酒もとっても美味しいです♡♡ Shorinはもちろん、お味にキビシイ(?)先輩も大満足♪♪  武文さん、ありがとうございました! (^ ^)//

Web上で大変失礼ながら、今回の選抜作家展、わざわざ足を運んで見に来てくださった皆様、構想から最後の仕上げまでていねいにご指導頂きました師匠 内野七色先生と書美院の先輩諸氏、ならびに本展関係者のみなさま方に心から深く御礼申し上げます。 


で、肝心のお作品なのですが。。。


今回Shorinは初めて昭和の演歌に挑戦したのですが、じつはお知り合いがたくさん見にいらしてくださって、その前で記念撮影。。。という流れになり、あろうことかお作品単体の写真を自分で


撮り忘れてしまいました!!! (≧∇≦*) 


なので、あらためまして、自宅にお作品が戻ってまいりましたら、解説 (演歌なので解説もなにも不要かもですが)とともにアップさせて頂きます。 乞うご期待! 

Shorin (^ ^)////

明けましておめでとうございます♪ Happy New Year 2016!!

明けましておめでとうございます。 

おだやかな天気に恵まれた本年のお正月、みなさまいかがお過ごしでしょうか。 Shorinは久々に地元に戻り、寺社巡りとお馴染みのお店を訪ねて久々にご挨拶をさせて頂き、ゆっくりと過ごしております。 (^ ^)/

年明けにはお書き初め、さらには二月の作品展に向けての準備がいよいよ大詰め、とまた忙しい日が続きます。 今年もしっかりお稽古に励もうと、心を新たに致しております。 

本年がみなさまにとって幸多き一年となりますよう、心からお祈り申し上げます。

Happy New Year and have a great 2016!

松凛