書美院展 2013 出品作品 「酔和春」 

書美院展 2013 出品作品  「酔春和」  (酔って春に和す) です。 

今回の 書美院展 には、思いがけず多くのみなさまが会場にお越し下さいました。 大変光栄に存じます。 お忙しい中お運び頂き、ありがとうございました。 また、直接お目にかかってご挨拶できなかった皆様、誠に申し訳ございません。

今回の作品はその字のごとく、「酔って春の空気に溶け込むよう」 というまことに良い気分の言葉ではあるのですが、とはいえ、私達がみんなで夜桜を愛でつつちょっと一杯ほろ酔い気分で。。。というのとは、違うのです。

これは白居易の 「長恨歌」 を題材としたもので、ここに描かれている場面とは

 後宮佳麗三千人  後宮の佳麗三千人
 三千寵愛在一身  三千の寵愛一身にあり 
 金屋妝成嬌侍夜  金屋装い成って嬌として夜に持し
 玉樓宴罷醉和春  玉楼宴罷んで酔うて春に和す

 後宮の美女三千人への寵愛が、その妃一人のみに注がれた
 黄金の御殿できらびやかに装って夜のお相手に侍り
 玉の楼閣での酒宴のあと、酔って春の空気に溶け込んでいった

と、あまりにも壮大なスケールの場面が題材です。 そしてその寵妃というのが、かの有名な 「楊貴妃」 です。 

それほど美しい女性をお伴に酔いしれる春の夜のお酒とは、どれ程すばらしいか、私には想像も。。。(笑) また、その後の楊貴妃の悲劇はご存知かもしれませんが、ここではその春の酒にただ酔いしれるその気分を、味わって頂ければと思います。 

最後に、準備にあたり丁寧にご指導、アドバイス頂きました、内野七色先生、書美院の先輩諸氏、お世話になりました関係各位に、心から深く御礼申し上げます。 

これからもよりよいお作品を見て頂けるよう、精進してまいります。 今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

松凛